中野社会保障推進協議会(以下社保協)や保険医協会中野支部は、区の成人健診有料化に反対し、無料化の継続を求めてきましたが、この程、今年度の区予算が示され、成人健診の有料化を断念していることが明らかになりました。 中野区が成人健診有料化を断念 中野区は既に区民の反対を押し切って、昨年度からがん検診を有料化、今年度からは成人健診も、千三百円を徴収する意向でした。しかし、無料化を求める社保協などの陳情書・署名、保険医協会の56人の「院長署名」の提出や、医師会や区民の強い反対で、区は有料化を断念しました。 でも、来年4月から有料化を検討 予算の中では「『導入協議』を前提に来年度(今年4月)は無料化を続ける」と注釈がついています。 区は区民の健康を守る責任があり、区民も、無料だからこそ、気軽に安心して検診を受けることができる制度が現行の区民検診の制度です。 有料化は受診抑制につながる 2年前にがん検診を有料化して、受診者数が減少した杉並区についで、中野区でも03年度からがん検診の有料化が実施され「がんは気になるけど、家計も大変…」と受診をやめる人も増えており、子宮がんや胃がん、肺がん、喉頭(こうとう)がんの受診者数は昨年に比べ減っています。年々成人健診やがん検診は受診者が増えており、今年も無料の成人健診は増えているなかで、有料のがん検診が減っています。(グラフ参照) 中野区医師会も有料化に反対 中野区医師会も「成人健診有料化反対」で行政との交渉を続けています。区への要望書のなかで「経済的な不況と種々の健康保険・厚生年金の自己負担増額などが続くなか、健康不安に怯える中野区民が近くの医療機関で、経済的にも気軽に受診できる『中野区区民健診』の役割は益々大きくなっています」「これまでの区民健診の、量、質、の維持のためにも、現行の区民健診を続行され、これ以上の有料化を思いとどまって下さい。」としています。 2年前に有料化になった新宿区でも医師会が区長に対して「がん検診等の自己負担の撤廃」を強く要望しています。 早期発見・早期治療は無料の健診で これまで病気の早期発見・早期治療に貢献してきた区民健診が、来年度からの有料化によって受診率の低下が懸念されます。来年の有料化を実施させない「健診は無料でこそ」の声と広範な区民の取り組みが、ますます重要になっています。 |