9月20日の「敬老の日」を前に、中野・杉並在住の高齢者を訪ねました。全員がご自身の人生を存分に楽しんでいます。近所の診療所とも仲良くつきあっているそんな方々です。長寿バンザイ 外来に歩いて通う98歳 桜山診療所 伊丹 寅五郎さん 生まれは日本橋。今は中野区上高田4丁目に息子さん夫婦と同居中。 昔の仕事は建築業。 桜山診療所とは、金高満すゑ所長の時代(現在から数えて5代前)からのつきあいで、「今は2週間に1回の診察を、坂道を歩いて2回程休憩しながらきているんだ。年とともに歩幅が狭くなってねぇ。6年前に大腸癌の手術、その後の方がかえって調子がいいよ」と笑顔で話しています。耳も遠くなく、背筋も伸び、笑顔の眩しい伊丹さん。朝ご飯は自炊です。 早寝早起きで9時就寝の4時起床。日課は午前・午後2時間ずつのお昼寝。 食べ物の好き嫌いはまったくない健康優良児。 120歳に挑戦中の92歳 桃井診療所 片岡 武敦さん 南極上陸最高齢者の片岡さんは今、青年のように意欲的に健康な体づくりに取り組んでいます。「明治生まれ最後の人間になる」という目標を、さらに高くしたのです。 目指すは世界最高齢。現在118歳のグルジア人が世界最高齢ですが、これを超えて120歳まで生きてみせるというのです。目的を持って即実践が片岡流、「人類最高齢に挑戦しよう!」と決心すると即座に行動開始。早速、健康によい環境を自分で探し6月1日から新しい環境の中で生活を始めました。 「人類の生きる記録をつくるために頑張る」と訴える片岡さん、現在青春真っただ中の92歳。120歳まで生きて後は自己記録を更新するのみ。 知る喜びは楽しい93歳 城西診療所 原田 貞子さん 「生んでくれた母にはとても感謝しているの。母の苦労を思い出しながら料理や洗濯など家事をこなしているのよ」と語る原田さんは1人暮らし。生まれは山口県。40歳ころから中野区に在住。城西診療所とのつきあいはグレープフルーツを食べて蕁麻疹になったのがきっかけ。90歳になってから仏教文学講座などにも通い、足が達者な頃は世界ウォークラリー等にも参加していた。美術館巡り等が好きで興味が湧くといろいろな場所に足を運んでいる。 「60歳までしか生きられないと易者さんに言われたこともあるの」とおっしゃりながらもお元気で体のやわらかさも目の前で披露してくださるほど。 見た目も90歳を超えているとは思えないほどお若い原田さん。 一人暮らしの100歳 天沼診療所 柳田 ていさん 「3〜4年前までは1人でお風呂にも入っていたのよ。自分の歯が下半分残っているので、食べ物は何でも食べます。みかんが大好き」と話す。 生まれは文京区小石川。浅草育ちで昭和2年から荻窪に今は1人暮らし。 友達に教えられ天沼診療所にはもう40年以上のつきあい、今は2週間に1回往診を受けている。 4男の息子夫婦が週に1回は訪問し、毎日電話で話をして、声の調子で体調の変化を確認しているという。大好きな歌を披露してくださった。 今は外出はしていないが、あの記憶力のすばらしさ学びたいと思ってしまう。 開設時から通う90歳 江古田沼袋診療所 白井 輝雄さん 「戦争に行った仲間と毎年秋の旅行に行っているんだ。25人で始めたが今は病気などして行けない人が増えて5人くらいになってしまったよ。毎年楽しみに今年最後かなと思いながら行っています」と語る白井さん。 生まれは岡山県津山。満州で結婚。中野区江古田に昭和22年から住み、今は中野区沼袋3丁目在住。5年前までコンビニエンスストアを経営しています。 沼袋診療所とは初代所長の中川志磨先生と交流があり開設当初からのつきあい。杖をついて週2〜3回リハビリに通い、毎年旅行している。まだまだお元気な白井さん。 老化を防ぐ食事のポイント 中野共立病院栄養課飛鳥田 智子 長寿とは、平均年齢よりも長生きすることを意味します。ただし、長生きしても老化が早ければ、人生は楽しめません。 そこで、老化を防ぐ食事のポイントをお話したいと思います。基本は3食バランスよくとり欠食は絶対に避けること。なぜなら、朝食を欠食した場合1日のバランスは朝食をとったときに比べ、2〜3倍の率で悪くなるという調査もあります。 また、暑いとそうめんなど麺類だけに偏る方もいますが、単品に偏ると必要な栄養が取れないばかりではなく、疲労感がぬけなかったり、夕食にいっぱい食べるという行動もおこしやすく肥満につながるからです。特に暑さなどのストレスでビタミンB・Cが消耗するので、食事でしっかりとらないと免疫力が低下してしまうのです。 食欲がないときはおかずのほうから先に食べてご飯を少なくしたり、魚とお肉の摂取は1対1程度の割合で、野菜は緑黄色野菜・根菜など毎食とるようにして食卓を彩りよくし(野菜をカラフルに彩るなど)品数を増やして30品目目標にして楽しみながら食事をしましょう。 | |