患者さんを代表して 共立友の会代表委員 | 南 すい子さん | 中野共立病院 院長 | 松永 伸一さん | 新病院建設がいよいよ今年からおこなわれます。新病院建設についての疑問や期待などさまざまな声が患者さん・職員から寄せられています。そこで、松永伸一院長に患者さんを代表して南すい子さんがお話をうかがいました。 憲法の輝く年へ 憲法擁護・非核都市の宣言 まちには こどもの笑顔がある ひろばには 若者の歌がある ここには 私たちのくらしがある 海を越えた かなたにも 同じ人間の くらしがある いま 地球をおおう 核兵器は あらゆる いのちの営みを この しあわせを 奪い去る 私たちの憲法は くらしを守り 自由を守り 恒久の平和を誓う 私たちは この憲法を大切にし 世界中の人びとと 手をつなぎ 核をもつ すべての国に 核兵器をすてよ と 訴える この区民の声を 憲法擁護・非核都市 中野区の宣言とする | | 南:明けましておめでとうございます。いよいよ共立病院の建て替えです。スケジュールはどうなってますか。 松永:おめでとうございます。今年の5月から取り壊しを始め、9月くらいに建設工事がスタートでしょうか。1年半くらいかかって2006年の秋にはオープンできる予定ですね。 1月に4階病棟が閉鎖になります。4月一杯で、2階と3階病棟を閉鎖します。病気が良くなり退院される患者さんもいれば、病気が良くならなくて、退院ができない状態の患者さんも当然いるわけですよね。病気が治らず退院していただく方について、私どもの仲間の病院等に、移って継続治療をしてもらおうと考えています。 南:他の病院に移る場合、患者さんの希望を聞いていただけますか。 松永:病院側が一方的に指図することではないと思うので、なるべく希望通りにと考えています。たとえば、差額を取らない民医連の病院がいいというのであれば、代々木病院等を含めて、病院をご紹介します。 中野区医師会に閉鎖することをお伝えしてあるので、中野総合病院や佼成病院などにご協力いただけると思います。杉並の中核病院にも事前に連携のお願いをしていきたいと思っています。 南:新病院になっても差額ベット料はとらないのですか。 松永:共立病院はそれがひとつの魅力になっているわけですから。差額ベット料は新病院になってもとりません。 南:差額ベット料をとらないということを、みなさんに知ってもらわないとね。差額ベット料をとらないってどうなるのってよく尋ねられるんです。今ほとんどないですよね、差額ベット料をとらない病院なんて。 松永:これは当たり前だと僕は思っているので、ことさらに強調しないんですけど。共立病院に入院された方は一番驚かれるんです。差額ベット料をとらないということを知らなかったのは、宣伝がたりなかったんでしょうか。民医連というものをもっと知ってもらう必要があるわけですね。 外科手術は代々木病院で行います 南:新病院と今までの共立病院の医療内容で違うところはどこですか。 松永:たった一つだけ。全身麻酔手術は代々木病院で行うことなんです。病院として手術はできない。そのほかは今までとまったく変わりません。手術はできなくなるが、むしろ代々木病院に集中して中野と代々木で1つの外科の手術を行い、そこに患者さんが集中することで病院のいろんな医療の水準も上がるんですね。私どもの力を結集して安全で質の高い外科の医療を皆さんに提供できる。必ずしもマイナス面だけではないとお伝えしたいと思います。手術が必要になった時に「代々木病院にいけば安心よ」と思っていただけるよう力を分散したい。 南:外科の外来はどうなるのでしょうか。 松永:外科外来は共立診療所で続けます。代々木病院で癌の手術をした患者さんが、退院して代々木病院まで外来に通うのが大変だったら中野共立診療所の外科に通うこともできます。代々木病院で手術した先生も中野共立診療所で外科の外来にきてもらいます。ふだんは中野共立診療所に通って、調子が悪くなったら共立病院に入院すればいいんです。消化器のお腹の病気も全部が代々木病院ということではなくて今まで通り中野共立診療所に来てもらって入院してもらう。外来も退院後も中野共立診療所とか中野共立病院を使っていただいていっこうにかまわない。むしろそうしていただくほうがいいことですね。 そして新病院に実は透析の医療機能が新しく加わります。 最初に相談してもらえる病院に 南:新病院建設の内容がわかるとすごく安心なんですけど。今はよく分からないせいか、とにかく心配とか不安とかそんな感じなんですよ。 松永:おそらく皆さんも最初から大きい病院にいけば安心かというと必ずしもそうではないと思うんですよね。知らない病院にいって知らない先生に診てもらうよりは、共立病院や共立診療所の信頼できる医者や看護師に何かあったときに、まず相談にきてもらう。 南:何かあったらまず共立病院に相談すればいいわけですね。 松永:そうですね。私どもは患者さんに必要だと思えば大学病院に紹介したり、セカンドオピニオンを求めるようなことも積極的にやります。セカンドオピニオンとは、第二の意見で、特に、医師の診断や治療法が適切かどうかを判断するために、患者やその家族が求める別の医師による意見のことをいいます。 最初に共立病院に相談してもらいたい。そんな病院を地域の第一線病院といいます。 救急の場合もまずは共立に。夜中でも電話で相談してもらう。どうしたらいいだろうかと、それに私どもがお応えする。みなさんが最初に相談してくれる病院でありたいと思います。 南:病院の建設中は、検査はどうなりますか。 松永:共立病院の建設中、検査機能は共立診療所に全部移ります。いま中野共立病院で行っている検査で、できなくなるものはひとつもないです。検査は今まで通りで、こちらで安心と考えてください。 南:新病院では検査機能が増えるんですか。 松永:MRIの検査も入れようと考えています。検査機能が増えるわけです。MRIとは、人体の細胞がもつ磁気を核磁気共鳴を利用して検出し、その情報をコンピューターにより画像化する診断法。共立病院でまず必要な検査をやって、それ以上に大学病院の検査が必要だったら大学病院などをご紹介します。 友の会の応援がわれわれの財産 南:お金がどのくらいかかるのか気になるんですけれど。 松永:お金はね、最終的にどのくらいになるのかはこれからで、だいたい15億から20億くらいの間になると思います。 南:私なんか、募金がそれだけ集まるのかなと心配になります。 松永:募金でそれ全部を集めようとは思っていないので大丈夫ですよ。日頃の医療活動上で建て替えのお金が可能だという判断をしています。 南:基金についてはいかがですか。募金のお金も届けるよう2人の方に頼まれました。お金の面でも、協力しようという方がずいぶんいるんですね。自分たちの病院だから少しでも多く募金や基金で協力したいと思っている方が多いんですね。 松永:いろいろな基金の募集をしてみなさんにさっそくご協力いただいているというのは本当にわれわれの心の支えなんです。それがあるから新病院大丈夫だ、やっていけるぞ、成功するよという自信につながるんですね。応援してくれる方がたくさんいるのが我々の財産。心強いですよね。 いい病院をつくろうと思っています。 医者も講師に出ていきます 南:友の会の会員さんを増やさないといけないと思います。共立友の会では班会を多く持とうと9ヵ所か10ヵ所くらいで実施します。会員1人が1世帯ずつ増やしていく方法でやってみようとそれだけでも力の入れ具合がだいぶ違ってくるかなと。今までの会員さん以外の方にも呼びかけたいと思っています。結果がどうでるかちょっと楽しみ。頑張ってやっていきます。班会とか一つ一つの積み重ねがあって、こういう募金も成功につながると思うんです。 松永:班会を旺盛にするとかは、ぜひわれわれも一緒になってやりたいので、医者も講師に出ていきます。ぜひ声をかけていただいて。 南:班会もそうだし、食事会にしろいろいろな問題も一緒にやっていかないと。 草の根運動を一緒に盛り上げて 松永:民医連の病院の活動のひとつがそれです。安心してみなさんが住み続けられる街づくりに病院は病院としての力をだしていこうということです。草の根の運動を一緒に盛り上げて。 平和の問題や戦争の問題、今いろんな医療改悪の問題だとか世の中を変えないといけないと思っている人たちとわれわれの日常の医療活動とつながっているわけですよね。いろいろな運動に病院としても積極的に参加して。病院の中だけのせまい世界じゃなくて、皆さんと大きな輪を作って病院も大きくなっていきたい。そういう運動も大きくしていって少しでも患者さんが安心してかかれるような医療を、世の中をいっしょに作っていきましょう。 南:新病院の建て替えに際し、友の会の人たちが集まり交流できるような場所を作っていただきたいと思っています。 松永:それはぜひきちっと考えてきちっとお応えしなきゃいけない。われわれの病院の今までの特徴、友の会・共同組織の方とのいっしょに行う病院の経営だとか、運営なんですけどね。決して別のものではなくて、職員とみなさん方というのは本当に車の両輪だと思うんです。そういった意味で友の会の人たちが活動できる場を提供するっていうのは当然だと思うんですよね。これがわれわれの財産だと思うんですよ。新病院建設がスタートする時に友の会の方とどれだけ盛り上げていけるかということが一番大切な問題ですよね。一方で、患者さんに非常にご迷惑をかける。ほんとうに申し訳ないですね。まだ5ヵ月くらいありますので、折あるごとに病院建設などについてお話していきたいと考えています。 南:職員さんのほうではどうなんでしょうか。新病院建設について。 松永:病院の建て替えの事業は健友会全体のことなので、職員一人ひとりがどういうふうに1年半の間、仕事をするのか全体で考え、調節をしながら働く。具体的には異動する職員はそこの病院で新しい経験ができるし、新しい学びがあるわけで、新病院ができて戻ってきたとき、すごいわれわれの財産になるわけです。今年もいっしょにがんばりましょう。 |