10月から診療所の窓口で支払う医療費の自己負担が増えていませんか。
8月までは1割だったのに9月から2割。10月からは3割と3倍になった人もいます。こうした医療改悪に加えて増税…。
私たちの暮らしは苦しくなる一方です。困った時、だれかに相談したら解決法が見つかるはず。
健友会では、困った時の相談窓口を中野・杉並地域の各診療所に開設しました。
診療所が地域のよりどころに
天沼診療所では税制の変更によって自己負担が変えられることを聞き「これは大変!」と管理会議で地域のよりどころ、地域の相談窓口の役割を果たそうと話し合いました。まず全ての在宅患者さんへ制度の変更を知らせようと手紙を出しました。それを見て区役所に相談したら住民税が大きく軽減された(Hさん)。通院患者さんの中でも、自己負担が3割になるとの通知がきたYさんが診療所窓口に相談。区役所で再度計算してもらった方が良いとのアドバイスを受けて申請したら、元通り1割になった、などの成果が生まれました。
初診のKさん(65)は一人暮らし。数日間食欲がなく38度台の熱と咳が続き、市販薬を飲んでいたが改善せず診療所に来所。次の診療予定日に来院せず、何回か電話をしたが不通となっていました。診察から9日後、岐阜の長女よりKさんが緊急入院したと連絡がありました。硬膜下血腫で脱水もあったとのこと。娘さんから「借金もあり生活が困難で入院費も払えない。どうしたらよいか困っている」と相談があり、樟山美紀杉並区議を紹介し、生活保護申請と自己破産宣告をし認可されました。「これで安心して療養できます」と感謝されました。
看護師長の宮澤和美さんは「素早い対応で解決できて良かった。電話で連絡が取れなかった時、はじめての患者さんでも遠慮しないで訪問すれば良かった」と振り返っています。
天沼診療所は、こうした相談活動に取り組む中で、地域での診療所の役割をあらためて確信しています。
10月からの制度変更が拍車を
今年の4月から国民健康保険料の均等割が増え、所得が低いほど保険料の値上げ率が高くなりました。中野・杉並両区の国民健康保険料滞納世帯の比率は、今年の6月末でそれぞれ25%、20%を越えています。また介護保険料(第4段階)は中野区が3400円から4050円(19%増)に、杉並区が3000円から4200円(40%増)へと大きく上がりました。
その上、10月から高齢者の自己負担3割の方が生まれること、介護保険で軽度の方のサービス制限が強まり、医療・介護を受けられない方が増えることが予想されます。
健友会介護福祉事業部長の斉藤稔さんは「自己負担が3割になった方でも、申請によって1割に戻った方もいます。ぜひご相談下さい。また23区中15区で実施している介護サービス料の利用者負担軽減事業を中野区、杉並区は実施していません。区民の声で制度の改善をさせましょう」と話しています。
困った時は相談を
中野地域では、10月3日(火)開催された「戦争NO、増税NO!社会保障の改悪を許さない中野区民集会」には500人が集まり、困難な事例などが報告され、集会アピールと今後のたたかいの決意が表明されました。
また、10月5日(木)の中野社保協と中野区医師会の懇談会でも、医療に格差を持ち込む混合診療に反対し、国民皆保険制度を守ることで一致しました。
健友会吉田専務理事談
「こうした諸団体と連携しながら、健友会各診療所が地域で困難な問題を抱える方たちの相談窓口の役割を果たすことは、いっそう大切になっています。今後も医療・介護をはじめ困難を抱えている方々のために、友の会と共に誰でも気軽に利用できる『相談活動』をさらに旺盛に行います。」
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